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10年後の空き家再生はDIYが主流?

 今日は、空き家ビジネスに興味のある皆さんに、これからの空き家活用で絶対に知っておきたい新しいキーパーソンについてお話したいと思います。

その名も「コミュニティ大工」です。
聞いたことありますか?

地方でも、こういったいろんなことができる器用な人、困ったらこの人に聞いてみれば的な人がたくさんいるんです。
元大工さんや、農家で農業が暇なときに土建屋で働いていた人、元公務員でなんでもこなせる器用な人などいろんな人がいます。
これからの空き家活用にはこういったキーパーソンが重要な役割を果たすのは間違いないです。
・プロに頼むのが当たり前?
空き家の再生というと、「まずは建築会社や不動産会社に相談しよう」って思いますよね。
ぼくも最初はそう思ってたんですが、この考え方には実は大きな落とし穴があるんです。
専門家の見積もりを見て「え、こんなにかかるの?」と驚いた経験、ありませんか?
築古の空き家だと、リフォーム費用が物件価格を上回ることなんてザラです。
すると専門家からは「採算が合わないので手を出さない方が…」というアドバイスをもらうことになります。
確かに正論です。
でも、本当にそれで諦めてしまっていいんでしょうか?
・商社マンから「コミュニティ大工」へ転身した加藤潤さんの物語
ここで紹介したいのが、加藤潤さんという方です。
元々は商社で働いていた普通のサラリーマンでした。
趣味で大工仕事をやっているうちに、どんどん腕が上がって、気がついたら「コミュニティ大工」と名乗るようになったんです。
面白い経歴ですよね。
加藤さんのアプローチが画期的なのは、「プロだけでやる」という固定概念を完全に捨てたところなんです。
・素人が参加することの本当の価値
「素人が作業に参加するなんて危険じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
とはいえ、加藤さんのやり方は単なる素人工事ではありません。
施主、地域住民、DIY愛好家など、いろんな背景の人たちが集まって、みんなでワイワイやりながら空き家を再生していくんです。
想像してみてください。
近所のおじさんが「昔、大工やってたからちょっと手伝うよ」と言ってくれたり、DIYが趣味の主婦の方が「ペンキ塗りなら任せて」と参加してくれたり。そんな光景です。
これって、コストを抑えられるだけじゃないんです。
地域の人たちが関わることで、その空き家に愛着が生まれるんですよね。
・プロが手を出しにくいを逆手に取る発想
建築や不動産の専門家が採算面から空き家を避ける理由は明確です
人件費、材料費、責任の重さ、利益の確保。
全部計算すると、どうしても高額になってしまうんです。
でも「コミュニティ大工」のアプローチは、この常識をひっくり返します。
専門的な部分は加藤さんのような経験豊富な人が担当し、みんなでできる部分は参加者全員で分担する。

まるで昔の「結(ゆい)」みたいな仕組みですね。
これをものすごくざっくりいうと、「みんなで力を合わせて家を直そう」という昔ながらの助け合いの精神を、現代版にアレンジしたということです。
・空き家は地域の宝になる
ぼくがいつも思うのは、空き家そのものが問題なのではなく、放置されて誰からも関心を持たれなくなった空き家が問題だということです。
「コミュニティ大工」のような取り組みによって再生された空き家は、もう単なる建物ではありません。
地域の人たちの思いが詰まった、特別な場所になるんです。
参加した人たちにとっても、「あの家の壁、オレが塗ったんだよ」「あそこの棚、私が作ったの」という愛着が生まれます。
これって、すごく価値のあることだと思いませんか?
・DIY空き家再生が主流になる予感
とはいえ、「じゃあ明日からコミュニティ大工になろう」というわけにはいかないですよね(笑)。
でも、いくつかの社会の流れを見ていると、このDIYベースの空き家再生が主流になる日は意外と近いかもしれません。
まず、YouTubeやSNSでDIYの技術を学べる環境が整ったこと。
昔なら職人さんに弟子入りしなければ覚えられなかった技術が、今は動画で学べるんです。
それに、コロナ禍で在宅ワークが広まったおかげで、「平日でも地域活動に参加できる」という人が増えました。
さらに言うと、定年退職した団塊世代の中には、現役時代に培った技術を地域で活かしたいと思っている人がたくさんいるんです。
・コスト面から見ても、DIY化は必然的
建築業界の人手不足で、プロに頼む費用はどんどん高くなっています。
一方で、地方の空き家の価格は下がり続けている。
この差が広がれば広がるほど、「自分たちでやるしかない」という選択肢が現実的になってくるんです。
経済合理性で考えても、DIY空き家再生は理にかなっているんですよね。
・新しい空き家ビジネスの形も見えてきた
この流れに乗って、すでに新しいビジネスモデルも登場し始めています。
「DIY指導専門の職人」「コミュニティ大工のマッチングサービス」「素人でも使える工具のレンタル業」など、従来の建築業界とは違う角度からのサービスです。
不動産会社も、「DIY可能物件」として空き家を積極的に紹介するところが増えてきました。
これって、業界全体が「DIY前提」にシフトしている証拠だと思うんです。
・というわけで、DIY空き家再生が当たり前の時代がやってきま
10年後を想像してみてください。
「空き家を買ったら、まずは地域のコミュニティ大工さんに相談して、近所の人たちと一緒にDIYで直すのが当たり前」という時代になっているかもしれません。
プロに全部お任せするのは、よほど予算に余裕がある人だけの選択肢になって、多くの人は「みんなでワイワイ作り上げる」スタイルを選ぶようになる。
そんな未来が見えてきませんか?
完璧なプロの仕事じゃなくても、みんなの思いが込められた空き家の方が、きっと長く愛される場所になります。
そして何より、そっちの方が経済的にも現実的なんです。
皆さんも今のうちから、DIYスキルを身につけたり、地域のつながりを作ったりしておくと、これからの空き家ビジネスで大きなアドバンテージになりそうです。