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特措法を読み解く

平成27年5月26日から完全施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」ですが、空き家の所有者はもとより空き家に携わる仕事をしている我々にとっても分かりずらい内容だと思います
しかしこの問題は所有者の方にとっては緊急性もあり金銭面での負担を伴う場合もありますので少しでもわかりやすく読み解いていきたいと思います。

ここでは第1条から順にQ&A方式で理解を深めていきたいと思います。

第9条 市町村長は、当該市町村の区域内にある空き家等の所在及び当該空き家等の所有者等を把握するための調査、その他空き家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる。
2 市町村長は、第14条第一項から第三項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任したものに、空き家等と認められる場所に立ち入って調査させることができる。
3 市町村長は、前項の規定により当該職員又はその委任したものを、空き家と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空き家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときはこの限りではない。
4 第二項の規定により空き家等と認められる場所に立ち入ろうとするものは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを掲示しなければならない。
5 第二項の規定による立ち入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

Q:43 空き家等と思って立ち入ったところ、室内に人寝ていた場合はどうなるのか。

A:43 1 特定空き家等の可能性がある建築物等に対しては、そもそも特定空き家等として認める必要があるかどうか、あるとすれば法第14条に基づき措置を行うのが適当か等を判断するために、空き家等と認められる場所に立ち入って調査を行う必要がある。

2 そこで本項は、法第14条第1項から第3項までの規定に基づき特定空き家等に対する措置を行うために必要な限度において、市町村長が当該職員又はその委任した者に空き家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる旨を定めている

3 この場合、法第9条第1項の調査による合理的判断に基づき空き家等だと思って建築物に立ち入ったところ、実際には所有者等が住んでいたと分かり、空き家等ではなかったと判明した場合、当該建築物等が「空き家等と認められる場所」であった以上それまでの立入調査が適法な行為であるという評価は変わらない。なお、適法な調査を行っている職員に対し暴行脅迫を行った場合は公務執行妨害(刑法第95条)等が成立しうる。また、寝ていた人に対し、その者の同意の下で、社会通念上相当と認められる範囲で当該建築物等の所有の確認等をする行為については、法第9条第1項の調査を行っているものと解され、許容されるものと解する。

4 なお、立入調査の過程で、「居住その他の使用」が現になされていることが判明するなど、そもそも「空き家等」でないことが明らかになった場合は、本項の適用の前提を欠くこととなり、それ以降は、立入調査を続行することはできない。